よるにゆるりと

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『女海賊メアリ・リード』

実在した女海賊メアリ・リードの伝説をもとにつくられた長い長い航海の、人生のおはなし。

海賊が主人公の話、というと何かしらの財宝を求める冒険物語を想像するかもしれない。
この話ももちろん追い求めるにふさわしい魅力的な財宝が登場する。
しかし、読んでいくなかでわくわくしてしまうのは財宝そのものではなく、メアリ・リードの生き様だ。

 

主人公のメアリ・リードは母1人娘1人の貧乏暮らし。
小さい頃から母親に言われて男装して過ごしている。


この話はメアリが大人になり母になっていく過程を描いた作品なのだが、取り巻く登場人物たちがとにかく魅力的だ。
そしてそのみんながみんな彼女に夢中なのだ。
だけど決してハーレムもの、という印象は受けない。
それくらいにメアリ・リードがとんでもなく魅力的なのだ。
ただちやほやされるだけの女の子では決してなく、もしかすると誰よりも男らしいのかもしれない。
そして誰よりも自由で、無鉄砲で、頑固で、したたかで、綺麗で、愛情深くて、目を離さずにはいられない。
出会った誰もが好きにならずにはいられない。

 

でもメアリ・リードは同じ場所には留まれない。
わくわくする何かを求めないではいられない。

 

メアリ・リードは女性としてただ守られるだけの人生は選べなかった。
つらい運命をただ受け入れて死んでしまうような悲劇のヒロインになるわけにはいかなかった。
復讐を成し遂げるために生きて、強くならなければならなかった。

 

メアリはずっと自由だった。
しかしそれは孤独でもあるということ。
自由と孤独はイコールではないけれど、誰かを愛してしまうことは、執着する何かがあるということは、弱みが出来てしまうことでもある。

 

彼女がしゃくりあげ、泣きながら、愛を分かち合う人がいることが最も価値がある宝物だと認めたときに、どうか彼女がやっと見つけた幸せが続きますように、と思わずにはいられない。

 

全4巻。
長いと思うかもしれない。
しかし次から次に出てくるメアリリードを取り囲む登場人物を、決して媚びることなく、どんどん魅了してしまうメアリ・リードにきっと夢中になるだろう。

そしてメアリ・リードは実在する人物だ。
アン・ボニーというこちらも実在する女海賊とふたりで海を渡り歩いたという確かな記録が残っている。
読み終わったあとは今はなき海賊時代に想いを馳せること間違いなしだ。

 

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